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観た映画の感想です。

『LAMB』
寒々しい風景が印象に残る映画。
すごーーーーく静かに話が進むし、何か起きそうだな…ていう雰囲気を終盤まで引きずるが、本当に最後の急展開以外は至って牧歌的なホームビデオって感じ。叔父さん?を手にかけたりする展開かと思いきやそういう感じでもないし…。
羊人間のアダちゃんは確かにキュートでしたが、実母である羊を殺して手に入れるた結果なので報いを受けて当然なのかもと思ってしまう。
最後のあれは牧神的なものなのかな。外国の創作物に触れると一定の割合で牧神に遭遇するんですが、向こうだと扱いやすい存在だったりするんでしょうか。
内容的には人間の罪と罰についての話だと解釈したんだけど、正直観た側に解釈を委ねすぎな印象を受けたのでもう少し解説が欲しい。パンフとか読めばわかるんかな。

『オオカミの家/骨』
YouTubeで予告を観てからどうしても観たかったので近場の映画館で観てきました。
インスパイア元となったコロニア•ディグニダについて予習して挑んだのですが、思ってたよりはわかりやすい映画だった(個人の感覚です)。
そもそもがカルト宗教のプロパガンダ映画という体で始まるので、スッと入りやすい。
オオカミの家で育ったマリアが外で新しいコミュニティを作ろうとして頑張るけども、彼女が作り上げた家庭もまたオオカミの家だったというのが悲しい。
だけどそれはマリアが健全なコミュニティというものを知らないので、彼女が悪いのかと言われたら難しいと思う。
まあ黒髪黒目の子供を金髪青目にした時にはな、ナチュラル差別意識…!!とはなったけど元ネタのコロニーの話を知識として入れておくと当然かもしれない。環境って怖いな。
映像に関してはストップモーション形式で撮られてて見応えがあった。
制作の過程までアニメーションとして扱っているのでもう画面がグッチャグチャだし音も凄まじいことになってるが、段々海外のASMRでも聴いてるような感覚に陥るのが不思議だった…
音は別撮りらしいですが、あの画面に合わせるのめちゃくちゃ労力かかったんだろうな。
製作者の2人が影響を受けたクリエイターにシュヴァンクマイエルを上げていて、確かにあの監督が好きな人は好きかもしれないです…私もそうなので…(洗練度でいうとやはりシュヴァンクマイエルのが上だと思いますが)
この映画をアリ•アスターが一晩中リピートしてたという情報で手を叩いて喜びましたが、彼が関わった同時上映のファウンドフッテージ物『骨』が狂気の権化すぎて真顔になりました。
なんか死体の造形がそれっぽいなと思ってたけどまたお前か!!という気持ちにさせられた。
全体的に昼間に観られる悪夢って感じで私は好きですね。
観るならば先述したコロニーの情報入れておくのが必須だと思います。

畳む


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