テンマがドアを開けると、実に殺風景な部屋が現れる。この部屋で家具と呼べるものは木製のベッドフレームと空っぽの本棚、そして古ぼけた椅子と机。それだけだ。
最初にこの部屋を借りると決めたとき、聞いていた築年数からしてもっとボロボロな部屋を想像していたのだが、存外綺麗なものだった。管理人がよく手をかけるタイプの人間なのだろう。壁紙は新しいものに貼り替えられていたし、年季を感じさせる床板はワックスで丁寧に磨かれており、深みのある茶色は返って気品すら感じさせた。窓から入ってくる陽光は、静かな部屋を柔らかく照らしている。
さて、とテンマは隣にいるヨハンに目をやる。彼の青い瞳は、どこか判然としない様子で、ただぼんやりと部屋を見つめているばかりだ。
「ここが君の部屋だよ」
テンマの声に反応して、ヨハンがゆっくりとこちらに顔を向けた。
「僕の部屋?」
「ああ。……まあ今は何も無いけど、色々好きにしてくれて良い」
「……僕の好きに?」
「うん。あ、でもテレビの線はリビングにしかないから持ち込めないな。悪いね」
「それは別に。興味ないです」
そっか、とテンマは微笑んだ。ヨハンの顔には流石に疲労の色がにじみ出ているものの、受け答えはきちんとできている。体力が随分落ちているはずのヨハンに無茶をさせいないか心配していたが、杞憂だったようだ。「ああそうだ、君に渡しておくものがあるんだ。手を出して」
テンマの言葉にヨハンは首を傾げつつも、そっと掌を差し出してきた。テンマは上着のポケットをまさぐり、携帯電話と、木彫りのストラップを付けた鍵を取り出して、そこにのせる。
「……これは何ですか?」
「何って、この家の鍵と連絡用の携帯電話。鍵は私の持ってるやつとこれの2つしかないから、なくさないでくれよ」
ヨハンはしげしげと手渡されたものを見つめている。
「……なんだか、変な形のストラップですね」
「え、そうかな。日本だとメジャーなお土産なんだけどな。知らない?熊と鮭」
「今初めて知りました。……ところで、この携帯は?」
「ああそうだ。一緒に暮らす条件として、君を勝手に出歩かせないようにと言われててね。どこかに行きたい場合は、メールでも電話でも良いから連絡してくれ。窮屈かもしれないけど、そこは頼むよ」
「……先生がそうしろというなら、そうします」
「そうかい、助かるよ」
ヨハンの返事に、テンマはホッと息をついた。その様子を見たヨハンは、携帯と鍵を握りしめた自分の手に目線を落としながら、ぽつりと呟いた。
「僕は構わないけど、先生は面倒じゃない?」
「私が?ああ、だったら気にしなくていいよ。仕事柄、いきなり電話がくるのは慣れているし。それに――」
「それに?」
「君が勝手にどこかに行ってしまうよりは、ずっといいよ」
テンマの言葉が意外だったのか、ヨハンは青い瞳を目を丸くした。今までの経験により導き出された、心からの言葉だったのだが、何やらキザったらしく聞こえたかもしれない。テンマは気恥ずかしい気持ちを仕切り直すように、一つ咳払いをして、ヨハンに手を差し出した。
「改めて、これからよろしく。ヨハン」
***
「よし、こんなものかな」
テンマは今日の夕飯になるスープを味見しながら呟いた。スープと言ってもそんなに凝ったものではなく、冷蔵庫に余っていた野菜やら肉やらを細かく切って煮込み、味付けをしたものだ。
「……安いからってセロリを買っておいて正解だったな」
テンマは満足げに頷くと、腕時計で時間を確認する。文字盤が指し示す時刻は午後8時23分。夕飯にはちょうどよい時間だろう。休日であることを考えると、少し遅いぐらいだ。
コンロの火を止めて、リビングから見て向かって左側のドア――ヨハンの部屋の前へと移動する。
「ヨハン、今大丈夫かい?」
そう言いながら、扉を数回トントン、とノックする。すると中から「はい」と静かな声が返ってきた。
扉を開くと、ヨハンはベッドに腰掛けていた。傍らには本が置いてあったので、そこに座って読書でもしていたのだろう。
「何かありましたか?」
「ああ、夕食ができたから一緒にどうかなと思って」
「夕食?」
テンマの言葉に、ヨハンがきょとんとした様子でこちらを見上げる。完全に忘れていたという風だ。テンマはため息をついた。
「……君、一応病み上がりなんだからきちんと食べないとだめだよ」
「すみません。……確かに料理をされてるなとは思いましたけど」
ヨハンは目を伏せて、傍らに置いてあった本の栞紐をいじっている。
「先生は、もう先に食べているかと」
「いやいや、流石に同居初日からそんなことはしないよ。……というか君、腹が空かない訳じゃ無いだろう?」
「確かに空かない訳じゃ無いですけど、あまり興味がなくて」
ヨハンは涼しい顔でそう続けた。この様子だと、放っておいたら明日の昼くらいまでは平気で水だけで過ごしそうな雰囲気がある。それは医者としても、彼の身を預かる人間としてもやめてほしいところだった。
「……興味があまりないところ悪いんだけど、しっかり2人分作ってしまってね。食べてくれると私は助かるんだが」
「……わかりました。ではせっかくですし、いただきます」
「ああ、ぜひそうしてくれ」
テンマはしっかりと頷いた。
ヨハンの細く白い指に握られたスプーンが、そっと液体を口元に運ぶ。やがてゆっくりと咀嚼されたそれを、静かに嚥下する音が響く。ヨハンは随分と綺麗な所作で――見方によってはとても機械的な仕草で、黙々と食事を続けている。
「……スープの味はどうかな? 冷蔵庫の有り物で作ったから、君の口に合うかわからないけど」
あまりの静けさに耐えられなくなったテンマは、妙に緊張しながらヨハンに声をかけた。ヨハンはふと手を止める。
「味ですか?それならおいしいですよ」
おいしい。ヨハンの口から、そのような言葉が出てくるのが何だか新鮮だった。よく考えれば、彼がまともに食事をしているところを初めて見たかもしれない。ヨハンを追っていたあの頃はもちろんのこと、彼が病院にいたときも食事のタイミングに病室へと顔を出すことは終ぞなかった。そのせいだろうか。彼の人間らしい部分にようやく触れられたような気がして、思わずホッとしてしまう。
「そうか、よかった。こっちの人は夜にがっつり食べないことは知っているんだけどね。日本人の習性か、夜にも温かい汁物とかおかずが欲しくなるんだ」
「……やっぱり、故郷の味というのは恋しいものですか」
「こっちでの生活も長いし、普段はあまり。ただ、たまに無性に食べたくなるときはあるかな。……もしかしたら、この感覚が恋しいっていうことなのかも」
「そう、羨ましいな」
「羨ましい?」
「……僕には、そういうのがあまりないから」
「……」
テンマは一瞬、どうし返したら良いのか分からず、沈黙が流れてしまう。
(――これは、良くないな)
テンマは気まずくなった空気を変えようと、わざと明るい口調でヨハンに話しかける。
「と、ところで私が居ないときの食事のことなんだけどね」
「居ない間?」
「仕事でどうしても家を空けてしまうことがあるから。なるべく作っておいてあげられると良いんだけど、毎日は難しいと思うんだ」
「ああ、それなら僕が作りますよ」
「えっ」
ヨハンの返事に、テンマは目を見開いた。
「ヨハン。君、料理とかできるのか?」
「まあ一通りは」
ヨハンの言い分によると、料理は決められた具材を決められた手順で調理すれば良いので、何ら難しいという事では無い、とのことだった。
「確かに一理あるけど。……でもその感じだと、レシピがないといけないんじゃないかい?」
「必ずしもないと困るわけじゃないですけど……自分で工程を考えるのは面倒なので、あると助かりますね」
「ちなみに、ないとどうなるんだ?」
「どうでしょう……おそらくですが、毎食蒸し野菜になルと思います」
「よし、明日は料理の本も買おう」
テンマは意思の強い口調でそう言った。
このままだと、病院食の味付けの方が濃いという奇妙な食生活になってしまう。
「……でも先生、本当にいいんですか?」
「ん、なぜ?」
「僕、また毒でも入れるかもしれませんよ」
ヨハンは挑発するように、長い睫毛に縁取られた青い目を細めて、笑った。
――このような表情をする彼を、久しぶりに見たかもしれない。
「君はやらないよ」
テンマは動じなかった。
「どうしてそう言い切れるんですか?」
ヨハンはどこかむっとした口調で応じる。
「……君はもう、そんな事をする必要はないはずだから」
今のヨハンもう、何かから逃げる必要も、傷つける必要もない。あれほど周囲から――それはテンマも含めて、そうであれと望まれていた、“怪物”でいる必要もないのだ。 だからこそ、今のヨハンが自分から誰かを傷つけるというのは想像ができなかった。――周囲からは甘い考えだ、と切り捨てられるかもしれないが。
「……」
ヨハンは何も言い返してこない。ただテンマの返事自体は気に食わなかったらしい。不満げにスプーンを皿の中でくるくると回すような仕草をしている。
「ヨハン、それ。行儀が悪いからやめなさい」
「……先生、意外と小うるさいんですね」
注意された側だというのに、ヨハンはなぜか恨めしそうに呟いた。
(……なんだか、わざと私を怒らせようとしている気がするな)
テンマは苦笑する。
ヨハン自身が意識してのことかは分からない。ただ、珍しく拗ねたような表情をしているヨハンの顔を見ると、大きな子どもを相手に話しをしているような、そんな気がしてくるのだった。
***
その翌日。2人は予定通り、日用品などの買い出しに出かけた。
事前に作っておいたリスト通りに商品を購入し終えて、帰りのバスの時刻を気にし始めていた矢先のことだ。ヨハンがふと、花屋の前で足を止めた。何かに吸い付けられるように、視線を店内へと向けている。
「ヨハン、何か気になるものでも?」
「いえ、」
ヨハンにしては珍しく、なんだかバツの悪そうな返事だった。不思議に思ったテンマは、ヨハンが視線を送っているものに目をやる。
そこにあったのは、ふっくらとした花びらが印象的な、黄色い花だった。テンマにはこの花の名前がわからなかったが、誰かの庭先で見かけた事があるような気がするので、それなりに人気のあるものなのだと思う。
「あの黄色い花?」
「……はい」
――彼も花を愛でることがあるのだろうか。そんな考えがふと頭をよぎったが、すぐに打ち消した。先日の料理のこともある。そういった偏見を抱くのは、良くない傾向だ。「あの花を、アンナが好きだと言っていたような気がして」
ヨハンはそう続けた。
(なるほどね……)
その言葉でテンマはヨハンが何故立ち止まったのか、合点がいった。
ヨハンによると、今の今まで忘れていたが、小さいときに彼の双子の妹がそう言っていたことをふと思い出したのだという。
「買っていく?」
「いらないです。買っても妹に渡せるわけじゃないですから。……――彼女も、僕なんかに会いたくないでしょうし」
ヨハンは特に悲しむ様子もなく、さも当然のことのように言った。
「……そうか」
実のところ、彼の妹とはヨハンの身元を引き受けるにあたって、何度かやりとりをしていた。
アンナは――テンマは彼女のことをニナと呼んでいるが――かなりヨハンを気遣っている様子で、少なくとも二度と会いたくない、と拒絶してはいなかった。むしろ、会ってきちんと話がしたい、と切望しているように感じられた。 彼女の望むように、いつか周囲の目を気にせずに彼らが顔を合わせる時がくるだろうか。様々な人間の思惑が重なりあい、複雑に交差した結果、2人はこのような関係になってしまった。
それを一番近くで見ていながら、何もできない自分にいつも歯がゆくなる。
ヨハンの静かな横顔からは、その感情は読み取れない。しかし彼の視線は、変わらず花に注がれている。
「……なあヨハン、君に一つ提案があるんだけど」
ヨハンが首を傾げながら、視線をテンマの顔に向けた。
「君の部屋、殺風景だし植物でも置いてみたらどうだ」
「植物?」
「そう。君は今後、家にいることが増えるだろう? だから気分転換になるものがあった方が良いと思うんだ。あの部屋は日当たりも良いし」
「……もし、枯らしてしまったら?」
「なに、ああいうのは大体、少し乱雑に育てても、水や日光をきちんと与えていれば大丈夫なんだよ。むしろ構い過ぎると、根が腐ってしまったりするから良くないんだ」
「……先生がそこまで言うなら」
テンマが好きなものを選ぶようと促すと、ヨハンは最初迷っている様子だった。しかし、しばらく店内を見回しているうちに、めぼしいもの見つけたらしい。店員をつかまえて、色々と質問をしていた。
「これにします」
ヨハンが指さしたものは、小さめの白い鉢に植えられた観葉植物だった。大きめの丸い葉には特徴的な切れ込みが入っていて、このサイズでもなかなかの存在感だ。
「へえ、結構立派だね」
「寒さにも強いので、初心者にも育てやすいそうです。手間がかからなさそうですし、良いかなと思って」
ヨハンはそんなことを言っているが、先ほどとは打って変わって、とても柔らかい表情をしていた。
彼の提案は成功だったとみえて、テンマは一人、満足げに頷いた。
それからの日々は驚くほど平穏なもので、1ヶ月ほど経っても特別大きな問題が起きることはなかった。
ヨハンは大体部屋で本を読んでいるか、リビングでテレビを眺めていたりと、穏やかに過ごしている様子だった。
一方で病院やカウンセリングなどにはきちんと通っているようで、テンマへの報告を欠かすことはなかった。病院関係者などへの印象が上々なのは、流石としか言いようがない。
――正直なところ、ヨハンが言いつけをしっかり守るとは思っていなかったので(これを聞いたらヨハンは怒る蚊らもしれないが)拍子抜けしたくらいだ。
さらに意外なことに、彼には植物の世話が性に合っていたらしい。毎日決まった時間に水をやり、時には窓際で日光にあててやっているようだった。
一度、用があって彼の部屋を訪れた際には、小さな鉢から飛び出しそうなほど枝はすくすくと成長し、深い緑色の葉を茂らせている様子を見ると、テンマは勝手に安心した気持ちになるのだった。
***
「ずいぶんと遅くなっちゃったなあ」
テンマは煌々と道路を照らしている街灯を見上げながら、情けなく呻く。
今日は昼勤だった。しかし急患が2件もあり、その応急処置やら他の医師への引き継ぎやら、事務作業など諸々の業務に追われ、一息ついた頃には日付が変わろうとしていた。
そうしてヘトヘトになりながら病院を出たところで、遅くなる連絡をヨハンにしていなかったことに気づいた。
しかし時すでに遅し。時計を確認すると、深夜1時を回ろうとしていた。
「……一人暮らしも長くやるもんじゃないな、まったく」
テンマは鞄から携帯電話を取り出すと、着信履歴を確認する。ヨハンからの着信は特に入っていない。
そもそもヨハンは、テンマが仕事をしている間に連絡はほぼしてこない。メールをくれればいいよ、と最初のころに言ってはいたのだが、どうやら彼なりに気を遣っているらしい。大抵朝家を出る際に、直接声をかけてくる。それは今日も同じだったようだ。
テンマはしばらく液晶画面を見つめながら、着信を入れるかどうか迷っていたが、こんな時間だ。ヨハンがすでに寝ていたりしたら睡眠妨害もいいところなので、やめておいた。
(とにかく、一刻も早く帰ろう)
明日の朝に事情を話せば、ヨハンはきっと物わかりのいい顔で「それなら仕方ないですね」と涼しい顔をしてくれるだろう。
「――これは都合の良い妄想か」
テンマは苦笑した。
おそらく酒場の周辺であれば、酔っ払いを目当てに流しているタクシーが捕まるかもしれない。
そう考えたテンマは気を取り直して、足早に繁華街がある方面へと足を向けた。
どうにか自宅の前までたどり着いたテンマは、なるべく物音を立てないよう、ゆっくりとドアノブを回した。 そっと室内の様子を伺うと、玄関から続く短い廊下はもちろん、リビングの方からも明かりは漏れている様子はない。
(ヨハンは寝ているのかな)
正直、顔を合わせるのが気まずかったのでホッとした。 まだ冬というには早い時期とはいえ、夜は随分と冷えこむ。テンマは「さむいな」とぼやきながらスリッパに履き替えた。
暗闇の中リビングにたどり着き、手探りで電気のスイッチをつける。すると電球が何度か点滅し、室内は明るさを取り戻す。暗闇に慣れた目にはそれが眩しく、思わず目を細めた。
「――え?」
テンマは思わず、声を上げた。リビングに置いているソファの上で、ヨハンがうずくまっているのが見て取れたからだ。
「ヨハン」
声をかけるとヨハンの頭がピクリと反応する。やがて緩慢な動作で顔を上げた。
「……ドクター?」
「こんなところで寝ていたら風邪を引くよ」
テンマはゆっくりと隣に腰掛けてヨハンの手を取った。体温を確かめるための行為だったが、判別するまでもない。彼の身体は随分と冷えてしまっている。一体どのくらいここに居たのだろうか。
ヨハンはその様子を眺めながら、されるがままにしている。どうも意識が判然としない様子だった。
「帰ってたんですね」
「……ああ、ついさっきね」
――ヨハンの口調や表情に、責めるような響きはなかった。いつもと変わらず、青い瞳は静かにテンマのことを見つめている。
しかし今はそれが、テンマの心をざわつかせた。「食事は?」
「一応食べましたよ」
テンマはその言葉に少しホッとする。テンマを待って、絶食でもしていたらそれこそ身体に毒だ。そんなテンマの様子を眺めながら、ヨハンは口を開いた。
「僕はもう、先生が帰ってこないのかと思いました」
「……なぜ?」
「連絡がなかったから」
「……」
それを言われてしまうと、どんな言い訳も無意味だ。テンマは正直に謝ることにした。
「……すまない。仕事が立て込んでいて、君に連絡するのを忘れていた」
「……」
ヨハンは何も言わなかった。
その代わりに、隣に座っているテンマの肩口にもたれかかり、頭をのせてくる。テンマはほんの少し、身を固くする。しかし抵抗する気分にはあまりならなかった。
ヨハンは少しの間そうしていたが、やがて何か思い出したように「そうだ」と言って顔を上げた。
「言うのを忘れてました。おかえりなさい、先生」
「……ああ、ただいま」
テンマの返事に、ヨハンはほんの少し口元を緩めた。そして満足そうに「では、僕は寝ますので」と立ち上がる。どうやら彼は、これを言うためだけに待っていたらしい。
「……身体が冷えてるから、しっかり毛布を被るんだよ」
「いやだな、もう子どもじゃないんだから、分かっていますよ」
ヨハンは自室の扉を閉める直前、振り向きざまおかしそうに笑った。
――その笑顔がやけに寂しいものに見えたのは、テンマの気のせいだろうか。
考えても、答えは出せそうになかった。
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