「また、桜の国で」朗読劇の感想

8月29日(土)の昼公演に行ってきました。
劇場が東京ドームのすぐ横だったんだけど数々のイベントが開催されておりかなりカオスでした。
都市対抗野球ちょっと観たかったな…(とりあえず野球殿堂記念館は行った)
朗読劇については、現地に行って良かったな~と思える内容でした。

以下は詳しい感想です。

夜行列車でヤンを助けた直後のシーンから始まるのか~!!
劇が始まってすぐは結構ダイジェスト版見てる印象を受けた(思ってたよりも役者さんが早口だったのものあり)。けど後半の展開やるにはこのくらいのスピード感が必要なのかも知れない…。
2.5次元は何度かみたことあるけど、あーいうのってエピソードごとに公演が分割されていて、原作丸々一本やる劇というのは今回が初めてだから新鮮でした。

主演のISSEIさんの棚倉慎の第一印象、「若いな~~」でした。
ご本人の年齢が21歳(!!)というのもあるけど、話し方とか仕草とか立ち振る舞いからして、エネルギーあふれる若者という感じ。そのせいか原作みたいに人付き合い苦手な印象はあまり受けませんでした(笑)
個人的に小説を読んでいたときに想像していたイメージはラジオドラマ版の井上芳雄さんが演じられてた方が近かったんですが、後半になるにつれてISSEIさんの棚倉慎もとてもいい…!!と思いました。これは配信とかで観たらまた印象が違ったんだろうな~と思います。

カミルとの思い出を語るシーン、子役とか居ないしどうするのかな~と思ったらシルエット演出だった。これがまた良くて、ステージ全体がオレンジに染まる中、カミルが立っているところの背景だけ菫色の丸いライトになっているのがとても素敵だったな~。
ライトの演出でもう一つ印象的だったのは、棚倉さんが父の教えについて語るシーンでばっと照らされたとき、背景に立っているセルゲイも一緒に照らされてたシーン(わかりにくい説明で申し訳ない)。
親の教えが子を導いているというのが視覚的に演出されてて痺れました…。私がほぼ中央の席だったのもあり、舞台上の演出もよく見れて満足でした。

レイが素性分かったときの演技の切り替えが結構印象的だった。
軽い口調ではあるんだけど、トーンとかしゃべり方がちょっと変わるだけであーもうこの人は取り繕ってない、素で喋っている感…繊細な表現だった。俳優さんってすごい。

ヤンもなんかすらっとしてる感じとか、生真面目そうなしゃべり方とかすごいヤンって感じだった(語彙)
ヤンと再会したときのタナクラサンの「この流れるような毒舌、やっぱりヤンだ!」みたいな台詞で笑ってしまった。ヤンの毒舌がクセになってるタナクラサン、いいよね…。

マジェナはなんか本当に原作から出てきたみたいな愛らしさと美しさで大満足。
後からパンフ読んで気づいたけど、マジェナ役の俳優さん、ゼロワンのイズちゃん役の方だった…。どうりでなんかお声に聞き覚えがあると思った~生で聞いてもとても美声でした…
彼女の手紙のシーンがとても好きなので、そのシーンらへんは泣いていました…いやあれは泣く…。
あとやっぱり生で「革命のエチュード」聞けたのはかなりよかった…サブスクでかなり履修して行ったんですが、やっぱりピアノ演奏を実際に聞くと胸に迫るものがありました。
場面に併せてのBGMの演奏も、とても良い味を出してたな~。

そしてラストにあの台詞を持ってくる演出で涙腺崩壊して泣いてしまった…。
ずっと自分のアイデンティティに悩んできた男が、最後に放った言葉がアレなの、良かったねという言い方が適切なのかはわからないが、答えを見つけることができたのは良かったんだろうなって思います。
役者の皆さんの演技のお陰で、本当に目の前で登場人物たちが葛藤し、悩んで決断して、それぞれの道を歩んでいる感じがしました。
あれだけ長い原作本の大事な部分をきちんと抽出して2時間弱の劇に仕上げてくれたの、本当に嬉しかったな…。
核になる部分がきちんと拾われていて、個人的には満足でした。
やっぱ他人が物語を解釈して、こういう作品だと思います!と世にお出ししてくれるメディア化からしか得られない栄養があるな。本当に助かる。

俳優さんのファンっぽい若い子がめちゃくちゃ多かったけど、この重めな話大丈夫そ?とはなりました。でもあなた方の推し、私はちゃんと覚えたぜ。不審者乙
敬意をもってちゃんとアクスタ買いました。私は野球選手と橘さんと睦月のアクスタしか実写の人ハモっていなかったのでもれなく仲間入りです。一緒に桜を観に行こうな(重い)。

物語の最後、3人は結局再会できずに終わっているけど、想像の余地がある終わり方しているのが唯一の救いというか…寂しいけど美しいラストだと思っている。季節が夏なのも良い。この手のこの後この人達はどうなったんですか~!?て思わせるラスト、須賀先生の得意技だなと思います。天バカのラストとかどうなっちゃったの!?ねえ!?てなって10数年経ちましたからね。未だにこの呪縛から逃れられそうにない。天バカの感想?

まーじで近辺でやってたら後2、3回くらい観たかったです。
東京の民、羨ましすぎる…。

ところで私は結構後ろの席だったんですが、斜め後ろに須賀先生らしき方が座っており…いや、まさかな…いやでもめちゃくちゃ似てるな(講演会に行った)…と挙動不審になってました。
公演後にX確認したらご本人(と梶原先生)がちゃんと呟いてたのでOH…となってしまいました。どういう巡り合わせ…ねえ…。

須賀先生の作品だったら、野球ものとかも実写化できそうなんでいつかやってほしさあります。いい題材だと思うんだけどな!!(観たいだけ)

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