以前別の映画観に行ったときに気になってたやつを観に行ってきました。
以下超絶ネタバレ感想
いやなんか…いろいろすごい映画だった……。
予告からは受ける印象とちがい、グロ描写が多くて驚いた。
人体破壊描写とか老人に暴力振るう描写とかかなりあるからそういうのがしんどい人は観ない方がいいですね…。
友人と観た後に「これR15でいいんかな?」と首を傾げる程度にはグロかったんですが…基準がわかんねえよ!
あと感受性が強い人もだいぶきついんじゃないかなこれ…。
ただ画面作りとかはスタイリッシュで観てて楽しかったです。
チラ裏でもちょっと触れたんだけどもろにキューブリックのオマージュとかあるので(主人公が通るテレビ局の廊下とかトイレとかシャイニングすぎる)80年代のホラー好きなひとは結構おっ…てなる描写があるんじゃないかな~。
主人公が7日間ごとに使用制限の薬に手に入れて、売れない女優↔若くてピチピチのギャルの二重生活をする…ていう内容なんですけど、最初にこの設定が出てきた時点で絶対守らんやつ!!→守れなかったよ…という流れは日本人は藤子不二雄でさんざん観たから逆に安心して観れる!!となりました。
文脈というか質感がだいぶ笑ゥせぇるすまんだったな。
まじでこの手の話存在しそう。
主人公が使用期限守らないおかげでそれはもうひどい目に合うんですけど、誰もそこまでやれとは言ってないじゃん…(引)という展開がどんどん押し寄せてくる。
主人公への追い詰められぶりがマジですごい。
いやまあ自業自得なんだけど…もう少しこう…手心というか…。
あと途中まで主人公とスーは人格共有してると思ってたから、最後ああなったのにめっちゃビックリした。
ミスリードだったのか、私の読解力がなかったのかどっちなのかはわからんです…。普通に後者かもしれん。
「より良い新しい自分」を生み出している時点で、元の自分は「よくない状態の自分」っていうことになってしまうことだからそりゃあ人格が分裂しているならより主人公側の人格は病むよな~~。
個人的に老婆になった主人公に暴力振るってるシーンが一番きつかったな…生々しすぎて…。
特殊メイクすごいので必見ではあるんだけど、身内に近い年齢の人がいると目を覆いたくなる描写ではあった。
欧米人だからなのか、老婆になってもわりとフィジカル強かったのはちょっと笑ってしまった(笑うようなシーンではない)。
いやまあ元が何十年もエクササイズするような超健康体だしわからんくもないんだけど…。
ラストの展開はもうずっとやめて~!!!!!!!てなってました。
あんな姿になっても髪巻いてイヤリング(ピアス?)つけておしゃれしていこうとするんだよな…て切なくなってしまった。
ただ劇場を血でビシャビシャにしだしてからはもっとやっちまえ!!こんな世界には復讐しろ!!(本人そんなつもりなかっただろうけど…)てなったから感情が滅茶苦茶だったよもう。
ラストシーンの解釈はどういうこと?てなったけど、監督のインタビューとか読んでいると、あれは主人公が「もう身体なんてないから無理してみんなに愛されなくていいんだ…」て吹っ切れている表情だったらしく合点がいきました。
やっぱりこの手の話の行きつくところってそこなんだなとも思った…。
そこまでしないと解放されなかったのは悲しいけどね。
丁寧な尊厳破壊(物理)をひたすら観させられた…。
まあただ、主人公がひたすら孤独(友人や実家の家族の影とかもいっさいない)で、周囲の男たちも軒並み終わっているのは露悪的すぎるというかどこか寓話的な感じに思えた。
なので悲しい話ではあるんだけど結構客観的に観てしまったかな…。
ホラーの登場人物に感情移入するとダメージを追うというのは数ある名作が教えてくれたので…。
めっちゃ面白かったんですが(テーマ的にこう表現するのもどうなんだ?て感じですが)観るのにかなりエネルギーつかったんで、2回目鑑賞するとしたらあと半年か1年くらい空けさせてほしいですね…。
他人におすすめしづらいけどパワーを感じるよい映画だった。
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