読んだ本の感想:「カササギ殺人事件」

端的にいうとすごく面白かった。
久しぶりにミステリ読んでうおお!!てなりました。
以下めちゃくちゃネタバレします。

まず前提としてなのですが、上巻を読んだ時に入れ子式ミステリだと気づかなくてですね……。
あらすじにも書いてないし、最初の原稿を読み出すところもなんか訳者とかの前書き的なのかしら…と思っていました。よくみたら作者名とかちゃんとアラン・コンウェイになっていたよ。
作者からしたら私のような読者は良いカモでしょうね…いつも素直に本を読んでいるだけなのだ(ハム太郎)

カササギ殺人事件部分は本当に王道のイギリスの古き良きミステリ…!!て感じでよかったです。わたしはもともとクリスティが好きなのでそこはかとなく漂うクリスティみにニヤニヤしていました。
下巻で作者がクリスティをだいぶ参考にして書いているというのが明かされるわけですが、それはなんとなくわかった。
わたしは横文字が苦手なので固有名詞とかはっきり思い出せなかったけど、ことの真相が意外とシンプルだったり(ミスリードがうまい)、実はおかしいのは母でなく息子の方だった…てオチも「ねじれた家」を思い出しました。あとは遺言書のくだりなど。

下巻は読み始めた瞬間にえーっ!?てなりましたね。多分読んだ人みんなそうだと思うよ(主語がでかい)
アラン自体にも問題はありまくる人なんだが、周囲の人たちもなかなか濃い。
芸術家として認められたいという気持ちがあるにも関わらず、ウケるのはエンタメとして書いた推理小説だけ…って実在の作家さんにも同じ悩みを抱えてる人はいそうですよね。

この小説の中には
•作者のアンソニー・ホロヴィッツが書いた文章
•アラン・コンウェイが書いた文章
•作家志望の人間が書いた文章
がそれぞれ出てくるんですが、全部読み味がちがっててすごい。特に作家志望の人が書いた文章の、とにかく文章にキレがなくて読みづらい感じ、羞恥で死にそうになりました。主に文芸部だった時の講評を思い出して。謎のダメージを受けるな。

下巻の原稿の続きを探すパートもハラハラしながら読んだ。見つからなかったり、内容がはちゃめちゃに投げやりだったらどうすんだ…!?となりましたがそこは流石にきちんとした内容だった。
そこに隠されたアナグラムはアレでしたが…笑
これ版権買い取った会社はもうウハウハだよなとかつい思ってしまった。なんか都市伝説として何十年経ったあもあの世界のミステリファンの中では有名になっていそう。

個人の意見ですが、結局名誉だ読者のためだなんだと理由つけてアランを殺した犯人よりは、全然主人公の行動の方が賞賛に値すると思うんですが、世の中うまくいかねえ…としみじみ感じました。
まあでもクレタ島で幸せにすごせているならよかったよな…。
しかしイギリスの小説読んでいるとギリシャに移住とか旅行とかそういうエピソードが結構出てくるんで、やっぱりそういう土地として描かれるテンプレみたいなのがあるんでしょうかね。日本の軽井沢的な…なんかちょっと違うか…?

やっぱりミステリって面白いし良いジャンルだな~と久しぶりに胸が熱くなる作品でした。
同作者の別の作品も面白そうなので読みたい。またそれはいずれ…。

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